2010年02月04日
大相撲協会を「組織論」で考えてみる… ~八百長問題の推察~
最初に書いておきますが、このブログに関しては「批判的な立場」から大相撲協会のことを書いているわけではありません。
「組織の分析」ということで、大相撲協会に小生自身、興味がありますし、小生の仕事もコンサルティング業があるので「組織論」ということでも、今回のケースに興味を持っているのです…。
小生が、直接間接的に知っている(興味がある)スポーツ界の組織は、主に
1.Jリーグ(社団法人日本プロサッカーリーグ)とJリーグクラブ
2.財団法人日本相撲協会
3.プロ野球
このうち1はよく知っているつもりですが、2と3は直接の知人がいるわけではありませんし、外野から見た知識だけです。
大相撲協会の珍しい点は、選手(力士、プレーヤー)が引退してその組織の運営を直接的に担っているということです。
これは選手たちにとっては「夢のような組織」です。
例えば、Jリーグで言えば『社団法人』であって、この組織の会員が各Jリーグクラブなんです。
大相撲は「財団法人」であり、Jリーグは「社団法人」なのですが、小生が知る限り両者とも最高意思決定機関は理事会です。
今回の貴乃花親方はこの理事会のメンバー(理事)に当選しました。
ちなみに、大相撲協会に現役引退後も残る(ポストを与えられる)ためには、原則、年寄名跡(105ある)を取得しなければなりません。
こう書くと、大相撲協会が閉鎖的でありムラ社会であることが伺えますが、別の見方をすれば「一度その一員になった者にとってはとてもありがたい組織」であると言えるでしょう。
プロ野球選手でもJリーガーでも現役を終わると、コーチやフロントとしてその球団が雇わない限りは無職になってしまいます。
あるいは、テレビや雑誌、新聞などで解説員としての職か、タレントや格闘家になる人もいます。
ただし、これも全員がそうした職にありつけるわけではなく、例えばプロ野球の監督になったからといって十年以上も監督を続けられる人はほとんどいません。
…となると、大相撲の年寄り(親方)のように、役職の違いはあれ、その名跡を持っていれば定年まで協会に残ることができる仕組みは、他のプロスポーツ界からすれば安定的な職業と言えるでしょう。
安定的な職業であり、参入障壁が高く(※自分の地位を脅かすような新たな存在が少ない)守られた組織においては、唯一試される“踏み絵”がその組織への忠誠心です。
そうした意味で、大相撲協会が長い伝統の中で「一門」というのがあり、その鉄の結束があるのは、組織の性質を考えると至極当然のことで、この点は小生は驚きません。
同時に、ここで言えるのは、大相撲協会のような守られた立場の方たちが集まるムラの論理は、外部の人間、特にファンや一般人からすれば“異様に見える”世界だと思います。
実際、大相撲ファン暦40年を越す小生でさえも、今回の理事選挙をめぐる動きは異様に感じました…(汗)。
こうした組織がほかにもありますが、代表的な例で言えば、政界です。
政界での政治家は選挙というリスク(※落選する)はありますが、かつての中選挙区制度では、大臣経験がある政治家たちは簡単に落選するようなことはありませんでした。(※中には落ちたことがある人もいるが)
となると、政界においては、安定した政治家職をやっている人が求めるのは「ポスト」です。具体的には大臣ポストですが、これを任命するのは内閣総理大臣。
その総理のポストを「一門=派閥」で争い、
一門の利益を代表する人が理事になり=派閥の長になり、
その利益を調整できる者が理事長になり=内閣総理大臣になり、
外部の者(国民や相撲ファン)たちそっちのけで「ムラの論理」で行動してしまう。
政界の場合、衆議院が小選挙区比例代表並立制に変わってから、大臣経験者といえども落選する可能性が出てきました。
今回の衆議院選挙も前回の衆議院選挙も、新人議員が大幅に誕生し、新規参入の意味において政界は大相撲会ほどムラの論理になっていないのかもしれません。
敢えて別の見方をしてみると…。
例えば、「ムラの論理」を追求する組織が、その組織員のために有利なことをやるのは当然だ―という意見があったとしましょう。
それはそれでいいと思いますが、要するにその組織が外部の世界との関わりをどれだけ持っているか―によって、ステークホルダー(利害関係人)が変わってくると思います。
仮に、大相撲協会の内部のごたごたを目の当たりしても、それを見た国民の多くが『いい相撲だけを見せてくれればいいよ』と寛容に考えるのであればいいのですが、
一方で『こんな組織のやっていることは興味ないわ!』として相撲を見なくなってしまったら、それは本体(大相撲協会)としても大きな打撃となるわけです。
次に、「八百長問題」について書きたいと思います。
【大相撲の八百長問題】
大相撲の世界に八百長があるかないかの問い小生が答えるとすれば…、
小生『そんなのあるに決まっているじゃん!! ただし、八百長の存在を証明あるいは立証することはできないよ…』と言います。
だって、八百長をやった本人が『俺は八百長をやったよ』と言うわけないじゃないですか?!(※八百長を告発した力士はいたが他の関与者(相手力士)は完全否定した)
ある程度相撲を見る目が肥えてきたら『これは八百長だろう…』ということはすぐに分かります。
こうした“八百長”の取り組みは小生が相撲を見始めた「柏鵬時代」からありましたよ。
この映像の0分47秒の「朝潮VS大鵬」の取り組みを見てください。どう見てもこれ“八百長”ですよ。
見たら分かるでしょう…。こんなものは?! ただ証拠がないので“八百長”と「“ ”」をつけました(※比ゆ的名表現なので)
大横綱の大鵬でもこうした相撲を取っていました。
一方、見ている者が息ができないくらい緊張する取り組みもあります。
横綱貴乃花VS大関朝青龍です。
これを見たら分かるでしょう。2つの取り組みの違いが…。
大相撲のすべての取り組みが「超ガチンコ(命をかけた真剣勝負)」であるわけがありません。そんなことをやっていたら、力士の体が壊れますし、力士たちもそこまでして相撲をとることはありません。
中には、ゆる~い相撲もあれば、
これは相手に対して情を持った相撲だなと思えるのもあるんですよ。
力士たちは今回の相撲協会の体質でも分かるように「ムラの論理」もありますので、すべてがガチンコと考えないほうがいいと思います。
最後に、大相撲の名誉のために書きますが、
最近の相撲はガチが多くなってきています。小生が“八百長”と見る取り組みが横綱千代の富士の全盛の時代に比べると明らかに少なくなっています。
その点では、外国人力士が増えたことで、日本人だけの「ムラの論理」がなくなってきたのではないか…と考えられますね。
「組織の分析」ということで、大相撲協会に小生自身、興味がありますし、小生の仕事もコンサルティング業があるので「組織論」ということでも、今回のケースに興味を持っているのです…。
小生が、直接間接的に知っている(興味がある)スポーツ界の組織は、主に
1.Jリーグ(社団法人日本プロサッカーリーグ)とJリーグクラブ
2.財団法人日本相撲協会
3.プロ野球
このうち1はよく知っているつもりですが、2と3は直接の知人がいるわけではありませんし、外野から見た知識だけです。
大相撲協会の珍しい点は、選手(力士、プレーヤー)が引退してその組織の運営を直接的に担っているということです。
これは選手たちにとっては「夢のような組織」です。
例えば、Jリーグで言えば『社団法人』であって、この組織の会員が各Jリーグクラブなんです。
大相撲は「財団法人」であり、Jリーグは「社団法人」なのですが、小生が知る限り両者とも最高意思決定機関は理事会です。
今回の貴乃花親方はこの理事会のメンバー(理事)に当選しました。
ちなみに、大相撲協会に現役引退後も残る(ポストを与えられる)ためには、原則、年寄名跡(105ある)を取得しなければなりません。
こう書くと、大相撲協会が閉鎖的でありムラ社会であることが伺えますが、別の見方をすれば「一度その一員になった者にとってはとてもありがたい組織」であると言えるでしょう。
プロ野球選手でもJリーガーでも現役を終わると、コーチやフロントとしてその球団が雇わない限りは無職になってしまいます。
あるいは、テレビや雑誌、新聞などで解説員としての職か、タレントや格闘家になる人もいます。
ただし、これも全員がそうした職にありつけるわけではなく、例えばプロ野球の監督になったからといって十年以上も監督を続けられる人はほとんどいません。
…となると、大相撲の年寄り(親方)のように、役職の違いはあれ、その名跡を持っていれば定年まで協会に残ることができる仕組みは、他のプロスポーツ界からすれば安定的な職業と言えるでしょう。
安定的な職業であり、参入障壁が高く(※自分の地位を脅かすような新たな存在が少ない)守られた組織においては、唯一試される“踏み絵”がその組織への忠誠心です。
そうした意味で、大相撲協会が長い伝統の中で「一門」というのがあり、その鉄の結束があるのは、組織の性質を考えると至極当然のことで、この点は小生は驚きません。
同時に、ここで言えるのは、大相撲協会のような守られた立場の方たちが集まるムラの論理は、外部の人間、特にファンや一般人からすれば“異様に見える”世界だと思います。
実際、大相撲ファン暦40年を越す小生でさえも、今回の理事選挙をめぐる動きは異様に感じました…(汗)。
こうした組織がほかにもありますが、代表的な例で言えば、政界です。
政界での政治家は選挙というリスク(※落選する)はありますが、かつての中選挙区制度では、大臣経験がある政治家たちは簡単に落選するようなことはありませんでした。(※中には落ちたことがある人もいるが)
となると、政界においては、安定した政治家職をやっている人が求めるのは「ポスト」です。具体的には大臣ポストですが、これを任命するのは内閣総理大臣。
その総理のポストを「一門=派閥」で争い、
一門の利益を代表する人が理事になり=派閥の長になり、
その利益を調整できる者が理事長になり=内閣総理大臣になり、
外部の者(国民や相撲ファン)たちそっちのけで「ムラの論理」で行動してしまう。
政界の場合、衆議院が小選挙区比例代表並立制に変わってから、大臣経験者といえども落選する可能性が出てきました。
今回の衆議院選挙も前回の衆議院選挙も、新人議員が大幅に誕生し、新規参入の意味において政界は大相撲会ほどムラの論理になっていないのかもしれません。
敢えて別の見方をしてみると…。
例えば、「ムラの論理」を追求する組織が、その組織員のために有利なことをやるのは当然だ―という意見があったとしましょう。
それはそれでいいと思いますが、要するにその組織が外部の世界との関わりをどれだけ持っているか―によって、ステークホルダー(利害関係人)が変わってくると思います。
仮に、大相撲協会の内部のごたごたを目の当たりしても、それを見た国民の多くが『いい相撲だけを見せてくれればいいよ』と寛容に考えるのであればいいのですが、
一方で『こんな組織のやっていることは興味ないわ!』として相撲を見なくなってしまったら、それは本体(大相撲協会)としても大きな打撃となるわけです。
次に、「八百長問題」について書きたいと思います。
【大相撲の八百長問題】
大相撲の世界に八百長があるかないかの問い小生が答えるとすれば…、
小生『そんなのあるに決まっているじゃん!! ただし、八百長の存在を証明あるいは立証することはできないよ…』と言います。
だって、八百長をやった本人が『俺は八百長をやったよ』と言うわけないじゃないですか?!(※八百長を告発した力士はいたが他の関与者(相手力士)は完全否定した)
ある程度相撲を見る目が肥えてきたら『これは八百長だろう…』ということはすぐに分かります。
こうした“八百長”の取り組みは小生が相撲を見始めた「柏鵬時代」からありましたよ。
この映像の0分47秒の「朝潮VS大鵬」の取り組みを見てください。どう見てもこれ“八百長”ですよ。
見たら分かるでしょう…。こんなものは?! ただ証拠がないので“八百長”と「“ ”」をつけました(※比ゆ的名表現なので)
大横綱の大鵬でもこうした相撲を取っていました。
一方、見ている者が息ができないくらい緊張する取り組みもあります。
横綱貴乃花VS大関朝青龍です。
これを見たら分かるでしょう。2つの取り組みの違いが…。
大相撲のすべての取り組みが「超ガチンコ(命をかけた真剣勝負)」であるわけがありません。そんなことをやっていたら、力士の体が壊れますし、力士たちもそこまでして相撲をとることはありません。
中には、ゆる~い相撲もあれば、
これは相手に対して情を持った相撲だなと思えるのもあるんですよ。
力士たちは今回の相撲協会の体質でも分かるように「ムラの論理」もありますので、すべてがガチンコと考えないほうがいいと思います。
最後に、大相撲の名誉のために書きますが、
最近の相撲はガチが多くなってきています。小生が“八百長”と見る取り組みが横綱千代の富士の全盛の時代に比べると明らかに少なくなっています。
その点では、外国人力士が増えたことで、日本人だけの「ムラの論理」がなくなってきたのではないか…と考えられますね。
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